micro:Maqueenについて
micro:bitを使っていると、「何か動かしたい」気持ちになりますよね。ここでは、手軽な例として「micro:Maqueen」というロボットカーを紹介します。
micro:bitと組み合わせる手の平サイズの二輪ロボットカーですが、モーターの他にもセンサーやLEDを搭載しています。また拡張性にも優れていて、micro:bit関連でも人気のオプションです。
基本的な動きの他、ライントレース・ラジコンなどプログラム次第でいろいろなことができます。
筆者も小学生向けに、micro:Maqueenをつかったプログラミング講座を開催しており、大変好評です。
このページでは、最新バージョン「micro:Maqueen V4.1」とmicro:bitV2の組み合わせで紹介します。写真はオプションの充電池ホルダー装着したものを撮影しています。
micro:Maqueenについて知ろう
(本ページ作成 2021.06.10)
DFRobot社製「micro:Maqueen」
micro:Maqueen(以下、単に「Maqueen」と略記)は、中国上海に本社を置くDFRobot社のmicro:bit用オプション製品です。DFRobot社はコンピューター関連製品を多数自社開発しており、本プロジェクト集でも紹介している「micro:BreadBoard」等も同社の製品です。
Maqueenは人気が高いようで、amazonなどで検索すると他社製品も表示されます。購入の際は「DFRobot社のmicro:Maqueen」かどうか確認をお忘れなく。
特長
Maqueenは次のような特長を持ったロボットカーです。
1.手のひらサイズで、きびきびした走行
2.金属製ギヤボックス+DCモーターで安定した走行
3.超音波センサー・ラインセンサーなどのセンサーや、フルカラーLED・スピーカーなど出力装置を搭載
4.ラインセンサー連動のインジケーターLED搭載で動作確認が容易
5.赤外線リモコン受信センサー搭載
6.Gravityシリーズ準拠GPIOコネクタとサーボコネクタ搭載
7.ドザーユニット・グリッパーユニットなど取付可能
7.単4電池×3本の他、オプションの充電池ボードにも対応
8.組立はとても簡単、調整不要です。
販売店
micro:Maqueenが購入できる販売店です。決済方法や送料等については各自ご確認ください。
スイッチサイエンス
開発元DFRobot社の国内代理店です。
DFRobot
開発元ページです。オプションなどとのセット品も取り扱いがあります。
各部の名称
Maqueen各部の名称です。写真は、MaqueenV4.1で、オプション装着の充電池仕様です。
車体前方
車体後方
底面
端子類
GPIO対応表
micro:bitとMaqueenの入出力ピンの対応表です。プログラミングの参考にしてください。
micro:bit | micro:Maqueen | 備 考 |
P0 | 内蔵スピーカー/GPIO | スイッチでスピーカーOFF可 |
P1 | 超音波センサー(Trig)/GPIO | GPIOコネクタ使用時は、超音波センサーを外すこと |
P2 | 超音波センサー(Echo)/GPIO | |
P8 | 左LED | |
P12 | 右LED | |
P13 | 左ラインセンサー | インジケーターLED付 |
P14 | 右ラインセンサー | |
P15 | フルカラーLED | NeoPixel |
P19/20 | I2C(SCL/SDA) | モーター・サーボ制御等に使用 |
バージョン
Maqueenには、GPIOなどの違いで複数のバージョンがあります。底面にはバージョンが記載されていますが、意外とWebサイトなどには情報が少ないようです。手元にある3つのバージョンについて、主な違いを表にまとめてみました。
Ver3.0 | Ver4.0 | Ver.4.1 | |
GPIOコネクタ端子 | P1・P2 (オス・メス) |
P1・P2 (Gravity互換) |
P0・P1・P2 (Gravity互換) |
サーボ端子 | 無 | S1・S2 (サーボピン) |
S1・S2 (サーボピン) |
LineKey | 無 | 無 | 有 |
ホイールの形状などが異なります。 |
電源オプション
Maqueen用のオプションとして、充電式電池ホルダーがあります。
搭載する電池は「CR123Aリチウムイオン充電池」となっていますが、この品名の非充電式電池(一般的にはこちらが多い)もあるので、注意が必要です。同じサイズの「16340リチウムイオン充電池」という電池もありこちらも使用可能です。いずれも一般のホームセンターなどでは扱っていないようなので、Amazon等で見つけて購入することになります。
電池が若干入手しづらいですが、充電式は使い捨てではないので、長く使う場合は向いています。
組立
Maqueenは完成品ではなく「組立キット」として販売されています。とはいっても組立はとても簡単です。
部品
パッケージを開けると、写真のような部品が収められています。
モーターや半導体等主な部品はすでにシャーシとなるプリント基板に取り付け済みです。
ホイールを組み立てる
プラスティック製ハブにゴム製タイヤを取り付けます。ゴムタイヤの内側とプラ製ハブの凹凸を合わせるように組み立てます。
左右用の2個組み立てます。
シャフトにホイールを取り付ける
ギヤ付モーターのシャフト(車軸)にホイールを取り付けます。
ホイールの取付け穴は「D型」になっていて、シャフトの平らな面とあわせるように取り付けます。
左右それぞれのシャフトにホイールを取り付けます
電池ボックス裏面に両面テープを貼り付ける
電池ボックス取り付け用に、底面に両面テープを貼り付けます。
両面テープの片面のはく離紙をとりのぞき、電池ボックスの底面に貼り付けます。
電池コネクタを車体に取り付ける。
電池ボックスのコードについているコネクタを車体のハウジングに取り付けます。
その際、コネクタの向きに気をつけてください。コネクタの形に気をつけ、コードの赤と「+」を合わせます。
また電池ボックスコードのコネクタは、micro:bitのバッテリーコネクタと同じ形状ですが、電圧が異なるので差し込まないよう注意してください。
電池ボックスを取り付ける
車体に取り付けられている樹脂製のモーターカバーに電池ボックスを両面テープで取り付けます。
このとき電池ボックスがホイールに当たらないよう注意してください。
電池ボックス取付完了
車体に左右のホイールと電池ボックスを取り付けた状態です。
micro:bitを取り付ける
車体のmicro:bitコネクタにmicro:bitを取り付けます。
micro:bit下部端子のリンクがかかるまで差し込みます。差込みが浅いと斜めになり隣のピンと接触する可能性があります。
超音波センサーを取りつけ、完成
超音波センサーを、超音波センサーコネクタに差し込むと、完成です。
MakeCodeエディター
MakeCodeエディターで、Maqueen用のプログラムを開発するときは、専用の拡張機能を用います。
読み込み方法
MakeCodeエディターの「設定>拡張機能」画面で、「Maqueen」を検索し読み込みます。同じDFRobot社のMaqueenPlusと間違えないように注意してください。
追加ブロック
次のようなブロックが追加されます。Maqueen用拡張ブロックの多くは日本語化されています。
事例
筆者のYoutubeチャンネル「Robofarm.jp」でも、Maqueenの動画を紹介しています。
ライントレース
底面のラインセンサーを使って黒線に沿って進む「ライントレース走行」の様子です。
プロジェクト集でも、Maqueen関連のプロジェクトを順次紹介します。