「プログラミング教育」に不安を感じる学校などをサポートします!
2020年度。新型コロナウイルス感染症の影響で、学校だけでなく社会全体が今までと異なった状況の中ですが、小学校では改訂された学習指導要領が本格実施の年です。
英語の導入などと合わせ、「プログラミング」が新しく教育課程に加わりました。ICT技術の急速な普及により「プログラミング」をはじめコンピューターに関する知識技能が将来不可欠ということで、小学校・中学校・高校と順次この分野が強化されます。そして将来、大学受験科目に「情報」を追加する検討も進められています。
小学校でも「プログラミング」が始まるということで、様々な団体や企業などから教材などの提案など様々な情報が発信されています。新しい教科書でもいくつか事例が紹介されるようになりました。
でも、「子ども達が関心持てる授業方法」「費用対効果がよく、子ども達が飽きない教材」といった、現場が一番欲しい情報って意外と少ないと思います。
私自身永年コンピューターに携わり様々なプログラムを開発していますし、数年前からは社会人・職業訓練生を対象にコンピュータープログラミングの指導を行う機会も増えています。時には20時間を超える「IoT(Internet of Things)」講座の講師も務めています。
このような経験から、コンピューターやプログラムの学習で大事なことは、学んだことが目に見える形で実感できることだと考えています。コンピューターは「バーチャル(仮想)なもの」というイメージがありますが、それは「ゲーム」などのイメージが大きいと思います。
コンピューターは、私たちの暮らしの課題を解決するためのパートナーとなる存在です。そういったコンピューターを私たちが暮らしていく現実世界でどのように活用していくべきかを学ぶのが「フィジカルコンピューティング」です。「調べる」「測る」「光らせる」「動かす」といった現実世界の活動とコンピューターとの関わりを体験することが、コンピューターやプログラムを理解する第一歩にふさわしい活動だと思います。
こういったフィジカルコンピューティングを子ども達が学ぼうとするときに最適な教材が、2016年イギリスで開発された教育用コンピューター「micro:bit(マイクロ・ビット)」です。クレジットカード半分ほどの基板に、プロセッサー・LEDディスプレイ・ボタンスイッチ・各種センサーなどをコンピューターの基本となる機能が搭載されています。また無線機能も搭載されており、micro:bit同士だけでなくスマートフォンとの通信も可能です。学童向けプログラミング環境としてはビジュアルタイプの「MakeCodeエディター」が提供されており、パソコンやiPadなどを使ってプログラミングします。
このmicro:bitは、マイクロビット教育財団が国際的な普及活動を進めており、2020年末現在500万個を超える数が出荷されており、日本でも2017年夏以降10万台近くが出荷されています。このため国内外の企業が様々なオプション装置を発売しており、応用の幅も広がっています。
micro:bitは小さくても立派なコンピューターです。「計算」「記憶」「条件分岐」「繰り返し」「入出力」「通信」「表示」といったコンピューターの基本機能を学ぶことはもちろん、標準搭載のセンサー・外付けオプションを組わせて応用していくことも可能です。
例えば、「楽器をつくる」「数取り器をつくる」「自動ストップウォッチをつくる」といった身近なテーマのプロジェクトなどを通して、課題を解決する力を育むことを始めることができます。
これまで、実際に行った事例を紹介します。
micro:bitを搭載したロボットカー「micro:Maqueen」に、「自動ブレーキ機能」をプログラミングするという課題に挑戦する授業・講座です。熊本県内の小学校の他、民間団体主催の体験講座などで実施しています。小学5年生程度を対象に2~3時間の内容です。小学校教職員研修としても開催実績があります。
近年、自動車に安全装備として取り付けられることが増えていて、子ども達にも「○○サイト」などの広告でなじみがある技術です。一言で「安全運転をする」といいますが、これは「認識」「判断」「操作」という一連の「情報処理」が適切に行われることが大事です。こういったことを踏まえながら、センサーとコンピューターで「安全運転をサポートするシステム」をつくっていきます。プログラム的には「条件判断」という要素を学ぶ学習です。
小学校で行うときは2名のペアで授業を行います。はじめてプログラミングに挑戦する子ども達がほとんどですので、簡単なプログラムを一緒に組みながら、基本的な操作に慣れるところから始めます。徐々にロボットカーを動かすプログラムへ進み、障害物に近づいた時停止する条件判断は、こちらからは正解を示さず、子ども達に考えてもらいます。
やはり「目標が明確なプロジェクト」というのは、子ども達も取り組みやすいだけでなく意欲も高くなります。ロボットカーが壁の数cm手前でピタリと止まると、子ども達には完成したという達成感はもちろんですが、コンピューターを思い通りに動かせたという自信も育めたかなと思います。またこの授業を通して、コンピューターが身近なところで使われ、便利さだけでなく命を守ることにも使われているということを理解してもらえたと思います。
このコンテンツに関しては、機材(micro:bit+maqueen最大20セット)の貸出しと合わせ、担任の先生とのTTという形で外部講師を努めることも可能です。また、小学校での教職員研修としてもよい評価をいただきました。
子ども向け科学イベントなどでの実施例です。
micro:bitのLEDディスプレイには、様々な文字や図形が表示可能です。「寝ている(画面が上向き)時」には「寝ている顔」をして、「起こす(ロゴが上)」としたとき「ピコーン」と音がして「笑った顔」になるという動きをさせるプログラムをつくります。以前はスピーカーを端子に取り付けることが必要でしたが、最近発売された「micro:bitV2」ではスピーカー標準搭載なので、より簡単に試せます。
プログラムとしては、「動きがあった時」のイベント処理となります。実際にmicro:bitの向きを変えたときに顔が変わる様子も楽しいのですが、「動き」を感じるしくみの話も子ども達には興味深いもののようです。「動き」を感じるしくみは、micro:bit背面についている「加速度センサー」です。2mm角ほどの小さな部品がその正体ということも驚きですが、子ども達が遊んでいるゲーム機やスマートフォンなどにも同じようなものが使われていることや、中の電子顕微鏡写真をみると新鮮な驚きのようです。STEM教育のきっかけづくりにもつかえるコンテンツです。
教科書に「プログラミング」の事例として記載されているのが、小学6年「理科」の「電気の利用」の単元です。
小学校の先生と共同で、授業内容を組み立て、明るさセンサーとリレーの組み合わせで「自動照明制御システム」づくりに挑戦する内容です。理科の授業の一環ということで、4人程度の「児童実験」として実施しました。
実施校の6年生は、昨年度micro:bitとMaqueenロボットカーでの体験経験があるので、これをベースに「明るさセンサー」と「リレー(電磁石でスイッチを制御する装置)を組み合わせた装置で、豆電球を点灯・消灯させる仕組みをつくり、制御するプログラムをつくります。教室内の明るさを調べ、点灯消灯の判断基準となる「しきい値」を決めるなどの手順をふんで、条件分岐プログラムに活かすという流れです。
実験する手順や実施など今後の検討課題もありますが、最後に教室の照明を消したときに、豆電球が点灯する様子が確認でき、子ども達も達成感が持てたようです。
「明るさセンサー+リレーユニット」は、現在11セット貸出し可能です。
どんな授業でも子どもの学習意欲を引き出すことが肝心です。プログラミング教育でもこのことは同じですが、一方ゲーム機やスマートフォンなどに慣れ親しんでいる子ども達にとっては、中途半端な教材を提供しては効果も中途半端になります(大人より目が確かです)。
見た目がかわいいとか、キャラクターが登場するなど「子ども」扱いしたような教材より、コンピューターの本質がわかりやすい教材を提示した方が効果的です。また扱うテーマも現実の生活に関わりがあるものを選んだ方が、目標が明確になると思います。こういった点を考慮した授業が展開できるようなサポートを行っています。
プログラミング教育で使う教材は高価なものもあり、必要数揃える予算上の問題があります。ロボファームでは、micro:bitやロボットカー、実験装置などの機材の貸出しを行っています。二人一組で使うことを前提に数も揃えていますので、実際に子ども達に触れさせることができます。
プログラミング環境は、小学校PC室で整備されているWindowsPCを基本としていますが、iPadでも実践事例があります。
授業の組立については、事前の打ち合わせを十分に行います。担任の先生が授業を行う前提の機材セッティングサポートから、外部講師として授業を行うことまで様々な形態が可能です。元中学校教諭ですので経験もあり、柔軟に対応させていただきます。
「子ども達の前に、教師自身がプログラミングを学びたい」という御要望には積極的にお応えします。
プログラムとは何?コンピューターってどんな仕組みという基本から、子ども達の現状と授業設計の基本といったことはもちろん、実際のプログラミング体験まで実のある研修のお手伝いをします。実際の開発現場の話など、既存の研修では聞けないリアルな話も紹介します。
教職員だけでなく、PTA研修などにも対応します。元公立中学校や県立高校のPTA会長なども歴任していますので、コンピューター・ICT教育について、保護者としての視点からもお話しできます。お気軽にご相談ください。
ロボファーム代表森川は教員養成学部の出身ですが、大学・大学院当時から、実験室機器運用システムの開発の他、大手電子機器メーカー工場用装置運用システムの開発にも参画していました。在学中に教職免許の他に、「第二種情報処理技術者」の資格試験に合格しています。教員在職中は、「マイタッチ計画」指導員や、理科サークル等で活動していました。
現在は「熊本市少年少女発明クラブ」の専任指導員や、職業訓練施設での「IoT基礎講座」の非常勤講師を務める他、県内小学校でのプログラミング教育の支援、各種講座の講師などを務めています。また公民館などで「電子工作講座」も開催しており、ソフトウェアだけでなくハードウェアまで含めた「コンピューティング」という視点で支援できます。
micro:bitに関しては、Facebook内に国内外2000名が参加する「micro:bitプログラミング教育研究室」を開設し、情報交換の場を運営しています。
また、これまで製作したものなどを紹介するYouTubeチャンネル「Robofarm.jp」も公開しています。
micro:bitの開発・普及を推進している団体です。売上の一部は、途上国でのmicro:bitの普及に使われています。開発環境「MakeCodeエディタ」も提供しています。
日本におけるmicro:bitの代理店です。オリジナル教材の開発も行っています。
micro:bitや関連製品の販売を行っています。通信販売を行っています。
micro:bit関連のオプションを開発販売している上海の企業です。micro:Maqueenの開発元です。
下記のような講座・研修会などを開催してきました。内容・規模等ご相談いただけます。「問合せ」フォームよりご連絡ください。
イギリス生まれの教育用コンピューター「micro:bit」を教材としたプログラミング講座を数多く実施しています。公民館などの主催講座はもちろん、小学校での出前授業もご相談ください。
WiFi機能を搭載したマイクロコンピューターを使って、センサーなどと組み合わせた装置の試作やプログラミングを通し、IoT(Internet of Things)技術の基礎を学ぶワークショップです。企業研修などで実施実績があります。
2020年度から小学校でも「プログラミング」が教育課程の中で扱うこととなりました。プログラミングだけでなくコンピューターの基本的な仕組みまで、実習などを通し学べる研修会のお手伝いをいたします。
LED(発光ダイオード)や集積回路を用いた電子回路製作ワークショップの企画運営を行います。対象予算に合わせた内容で行うことも可能です。これまで「ミニ電子オルゴール」「音声録音再生ボード」など好評でした。
小学校でのmicro:bitプログラミング | 発明クラブでの電子工作講座 |
ロボファーム代表 森川 治雄
○1963年熊本県生まれ。
○小中学生の頃より電子工作に興味を覚え、製作に没頭。
○高校時代からマイコンに触れ、アセンブラやBASICもはじめる。
○大学~大学院時代は、研究室の計測装置管理システムの開発など行うだけでなく、県内ベンチャー企業と電子部品工場の検査装置開発に参画。
○会社経営を行いつつ、新規事業の一環として情報処理技術の教育普及を行うため、「ロボファーム」創業。
創業に当たり、平成27年度創業・第二創業補助事業認定をうける。
○教育学修士(理科教育)。第二種情報処理技術者。ICT支援員認定。
2020年より実施される学習指導要領では「プログラミング」も新しく教育課程に位置づけられます。それにあわせ様々な教材が登場していますが、その中でも特に「micro:bit」をお薦めしたいと思っています。これまでも、数多くの講座・イベントを行っています。
日本国内でより一層普及させるため、2017年8月より、Facebook内に情報交換の場としてグループを立ち上げ運営しています。
Facebook「micro:bitプログラミング教育研究室」
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